2025.06.30
「日本の障壁を越えるPET戦略:海外に学ぶPETイメージング活用と日本の課題解決戦略」セミナーを開催しました
EVENT REPORTシミックは、2025年6月11日に「日本の障壁を越えるPET戦略:海外に学ぶPETイメージング活用と日本の課題解決戦略」と題したセミナーを主催しました。延べ140名の方にご参加いただき、盛況のうちに終了いたしました。

医薬品開発におけるPETの可能性と課題
世界の医薬品開発においては、分子イメージング技術、特にPET(陽電子放出断層撮影)の活用が急速に進展しています。PETは薬剤の体内動態を可視化できる高度な技術であり、新薬の評価において重要な役割を担っています。一方、日本国内ではインフラや規制、運用体制などの面で課題が存在しています。
本セミナーでは、国内外の専門家を招き、PETを用いた臨床試験の最新動向と実践に向けた課題、成功のポイントについてご講演いただきました。
参加者からは「国内外の課題が整理された」「臨床応用の実情が理解できた」といった声が多く寄せられました。ご参加いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
今後も、こうした情報発信を通じて、医薬品開発の技術革新と課題解決に貢献してまいります。
ご登壇者プロフィール

セッションレポート
Session1:RIを用いた臨床試験の推移、国内外比較と国内PET試験の課題
演者:Perceptive Japan Country Lead, Business Development 中小路 聡直 氏
日本国内でのPET臨床試験の推進にあたって現場が直面する課題――トレーサー供給の不安定さ、製造施設の地域格差、複雑な法規制と運用、専門人材の確保と育成、当局との連携体制――について、具体的かつ詳細に解説いただきました。
さらに、日本人データの収集が持つ意義や、欧米・中国での経験を活かした開発戦略の必要性、日本国内でのエビデンス創出の重要性についても改めて強調されました。
Session2:Optimise Early Phase Drug Development with PET and MRI(通訳付き)
演者:Perceptive, MD Executive VP and Head of Translational Applications Ilan Rabiner 氏
中枢神経領域における初期開発段階では、PETおよびMRIの活用が極めて重要であることが示されました。これらの技術は、薬剤の作用機序や標的への結合をリアルタイムで可視化できるため、治療薬の開発やバイオマーカー解析において大きな可能性を持っています。
欧米ではすでに積極的な導入が進んでいる一方で、日本では依然として規制やインフラ面での課題が残されています。こうした状況を踏まえ、グローバルな知見と日本の臨床現場を効果的に橋渡しする戦略の必要性が強調されました。
Session3:PET imaging関連治験の強みと実績
演者:シミック株式会社 医療機器本部 医療機器臨床事業1部 相吉 隆之 氏
日本国内におけるPETイメージング関連治験の全体像、関連法規制、運用実務、ならびにシミックが提供する支援体制について、具体的な事例を交えて解説が行われました。
特に、核医学分野における人材育成の取り組みとして、核医学会への参加、教育講習会の実施、社内Certificate制度の運用などが紹介されました。また、独自のPET予約管理システムの活用や、核医学専門チームによる知見の蓄積を通じて、幅広い疾患領域におけるコンサルティング支援が行われていることが示されました。
先端技術で医薬品開発の可能性を拡げるシミックの挑戦
シミックは、PETイメージングをはじめとする先端技術の価値を深く理解し、医薬品開発の現場における課題解決に取り組むことで、未来の医療に貢献することを目指しています。
国内外のパートナーと連携しながら、世界の革新を日本の患者さんへ届ける架け橋となり、より良い薬を、より早く届けられるよう尽力してまいります。
- 参照:
- シミックの臨床試験の強み