2025.07.17
「AIで変わる品質向上と効率化 -最先端の画像診断を用いた臨床試験-」セミナーを開催しました
EVENT REPORTシミックは、2025年7月2日に「日本の障壁を越えるPET戦略:海外に学ぶPETイメージング活用と日本の課題解決戦略」と題したセミナーを主催しました。延べ120名の方にご参加いただき、盛況のうちに終了いたしました。ご参加いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。

医師の判断を支えるテクノロジーの力
AIを活用した画像中央判定は、「品質向上」と「業務効率化」の両面で注目を集めています。しかし、日本国内ではその導入がまだ限定的であり、広く普及しているとは言えないのが現状です。
この技術は、医師の判断を支援するインサイト(分析情報)を提供するものであり、最終的な判定は医師が行います。AIのサポートを受けることで、医師による中央判定はより高品質かつ迅速に行えるようになります。
一方で、Imaging CROの高コストが課題となるケースも増えており、効率化とコスト削減の両立が求められています。
本セミナーでは、がん領域においてAIを活用した画像中央判定をリードするMedian Technologies社が、最新の実績と取り組みを紹介しました。また、ムサシ・イメージ情報株式会社からは、EDCシステムと連携した画像データの収集・判定入力による実務効率化とコスト削減の工夫についてご講演いただきました。
セッションレポート
Session1:Transforming Oncology Trials with Median‘s Central Imaging and AI-Driven Insights
演者:Median Technologies Vice President of Medical Affairs, MD Dr. Antoine Iannessi
AIを活用した骨格筋指数(L3 SMI)の自動計算やラジオミクス解析により、定量的かつ一貫性のある評価が可能となっており、これらはFDA認証済みのICプラットフォーム上で提供されています。また、実際の臨床現場での応用事例も紹介され、AIによる画像解析が治験の質とスピードを高める有効な手段であることが示されました。
Session2:コストを抑えて、機能を最大化 ― イメージングCROの現場力と柔軟性
演者:ムサシ・イメージ情報株式会社 医用営業部 上席課長部員 雄川 裕次 氏
コストを抑えつつ機能を最大化するための実践的な取り組みが共有されました。皮膚疾患試験ではRPA等を活用し、判定業務の自動化によって作業効率を向上させた事例が紹介され、肺がん第0相試験では、EDCを用いた画像判定の効率化の事例が紹介されました。さらに、地域密着型の支援体制と200件以上の実績により、柔軟かつ高品質なサービス提供が可能であることが示されました。
先端技術と現場力で臨床試験の未来を拓くシミックの挑戦
シミックは、AI画像解析やPETイメージングなど先端技術を活用し、医薬品開発の品質向上と効率化に取り組んでいます。6月11日のセミナーでは、PETを用いた臨床試験の可能性と日本の課題を整理し、海外の知見を活かした戦略の必要性を提言しました。続く本セミナーでは、AIによる中央画像判定の導入により、医師の負担軽減と迅速な判断を支援する取り組みを紹介しました。。AIは医師の判断を補完する分析情報を提供し、EDCとの連携による運用効率化は、中小規模の治験支援において大きな価値を持ちます。
私たちは、先端技術の価値を深く理解し、国内外のパートナーと連携しながら、医薬品開発の現場における課題解決に取り組むことで、未来の医療に貢献することを目指しています。世界の革新を日本の患者さんへ届ける架け橋となり、より良い治療をより早く届けられるよう尽力してまいります。
- 参照:
- シミックの臨床試験の強み