医療機器開発・導入セミナー(製薬企業向け第2弾)を開催しました

EVENT REPORT

シミックは、9月9日(火)、本社(港区・BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S)にて、「なぜ製薬企業が医療機器の治験/臨床試験で戸惑うのか!?~CROからみた製薬企業が企画する機器治験で、よくある落とし穴・着眼点とは~」と題した医療機器開発セミナーを開催しました。2025年1月に実施した「医療機器開発・導入セミナー」の製薬企業向け第2弾となります。

セミナーテーマ:なぜ製薬企業が医療機器の治験/臨床試験で戸惑うのか!?

~CROからみた製薬企業が企画する機器治験で、よくある落とし穴・着眼点とは~

本セミナーは、「なぜ製薬企業が医療機器の治験/臨床試験で戸惑うのか!? ~CROからみた製薬企業が企画する機器治験で、よくある落とし穴・着眼点とは~」をテーマに、製薬企業が医療機器開発に取り組む際に直面する課題や疑問に対して、弊社コンサルタントが事例を交えて解説を行いました。
当日は、医薬品開発を主軸とする企業の方々を中心に、医療機器領域への新規参入を検討されている皆様など22名にご参加いただき、盛況のうちに終了いたしました。
参加者からは、「非常にわかりやすかった」「現場の視点が興味深かった」「医療機器治験の本質が理解できた」などの声が寄せられ、セミナー全体に対して高い評価をいただきました。ご参加いただいた皆様へ、心より御礼申し上げます。

セッション概要

本セミナーでは、医療機器治験の準備段階から実施段階、そしてユーザー視点での製品評価まで、各フェーズで押さえておくべきポイントを、3つのセッションを通じて体系的にご紹介しました。

■医療機器治験の準備段階における留意点
登壇者:白銀 英樹(シニアコンサルタント)
医療機器治験の企画・設計に必要な準備事項について、医薬品治験との違いを踏まえながら実務的な視点で解説しました。
規制上の位置づけ、GCP省令との相違点、PMDA相談、治験デザイン構想、機器製造、医薬品と医療機器の併用での治験の注意点などを網羅に整理。さらに、ISO14155:2020の適応、SOP整備、ラーニングカーブの検討の必要性など、医療機器特有の運用に関する対応も取り上げ、治験依頼者・医療機関双方の視点から具体的な事例を交えて紹介しました。

■医療機器治験の実施段階での特有の対応
登壇者:沼前 貴志(プロジェクトマネージャー/臨床試験コンサルタント)
医療機器治験の実施段階において、医薬品治験との違いに着目しながら、各フェーズで求められる対応を整理しました。
治験開始前の準備段階で検討すべき事項、プロジェクトチームの構築、医療機関の選定から施設セットアップ、被験者の治験参加中において、法規制や慣習ならびに運用に関する具体的な事例を交えて紹介。医薬品治験の経験がある方向けに理解しやすいよう、医療機器特有の注意点を明確にし、治験運営に役立てていただく内容となりました。

■ 医療機器治験で見極める“配慮”のかたち ― ユーザビリティ ―
登壇者:野原 正広(医療機器コンサルティング部)
医療機器に求められる“配慮”のあり方について、ユーザー視点から製品の質をどう評価すべきか、ユーザビリティエンジニアリングプロセスの考え方、ユーザビリティ試験の実施方法や総括的評価のポイントを整理。臨床現場での使用実態に即した設計の重要性を、具体的な事例を交えて紹介し、医療機器開発におけるユーザー中心設計の意義を解説しました。

■パネルディスカッション「ユーザビリティを問い直す」
講師陣と参加者が一体となって「ユーザビリティとは何か?」を考えるパネルディスカッションを実施しました。
トイレの色表示や電車の案内表記、アクセルとブレーキの踏み間違いなど、日常の例を交えながら、「間違えることを前提とした設計」の重要性が語られました。また、「使いやすさ」だけでなく、音・形・重さ・大きさなど物理的な要素を含めた設計思想や、病院現場での声を反映する姿勢の重要性についても活発な意見交換が行われました。
参加者からは「家庭用機器のユーザビリティはどう考えるべきか?」といった質問も寄せられ、プロトコルへの反映方法や事前の仕掛けづくりの必要性など、実務に即した議論が展開されました。

シミックの医療機器開発 戦略・薬事コンサルティング

シミックでは、医療機器やデジタルセラピューティクス(DTx)などの開発において、薬機法に基づく戦略立案から市販後まで、ワンストップでサービスを提供しています。
薬事申請や海外進出支援(CEマーキング、FDA認可取得など)にも対応しており、製薬企業が直面する規制対応の複雑さ、技術革新の速さ、コスト管理、市場参入の障壁に対して、専門知識と豊富な経験を活かした迅速かつ効率的な支援を行っています。
近年では、異業種から医療機器領域への新規参入も増加しており、シミックはそうした企業に対しても、開発初期から薬事申請、上市後の支援まで包括的なサポートを提供しています。

また、CRA(臨床開発モニター)やPM(プロジェクトマネージャー)などの職種から、医療機器領域の専門性を活かしてコンサルタント職へとステップアップできるキャリアパスもあり、社員が専門性を高めながら成長できる環境づくりを推進しています。こうした取り組みを通じて、医療機器領域における人材育成を促進し、業界全体の発展にもつながる価値を提供してまいります。

参照:
医療機器 開発 / 戦略・薬事コンサルティング