「SASユーザー総会2025」に出展・発表、2演題が受賞しました

EVENT REPORT

2025年9月24日(水)~25日(木)、東京大学 弥生講堂にて開催された「SASユーザー総会2025」にて、弊社社員が5演題を発表し、うち2演題がプレゼンテーション奨励賞、奨励賞を受賞しました。

SASユーザー総会2025に出展し、統計解析関連サービスを紹介

1982年より続くSASユーザー総会は、SASの活用事例や研究分野での応用方法を共有する場として、SASユーザー世話人会を中心に開催されています。今年度は企画セッションも充実し、過去最多となる85演題が発表され、参加登録者数も340名を超え、盛会のうちに終了しました。
シミックは、これまでの論文発表に加え、初めてブース出展を実施し、シミックの統計解析および統計解析コンサルティングサービスを紹介しました。中でもICH E9(R1)に準拠した「Estimand支援サービス」には高い関心が寄せられ、多くの方にお立ち寄りいただきました。ご来場いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

参照:
SASユーザー総会2025

5演題を発表し、2演題が受賞

シミックからは、若手社員を経験豊富な社員が支援する体制で5演題を発表し、うち2演題がプレゼンテーション奨励賞、奨励賞を受賞しました。

■プレゼンテーション奨励賞
#109 Estimand初心者集まれ!Estimandの復習と解析業務への影響点の紹介
シミック株式会社 菊池 宏和、中西 豊支
ICH E9(R1)で何が定義されたのか、Estimand導入によって統計解析業務が具体的にどう変化するのかを基礎から説明した。
抄録_Estimand初心者集まれ!Estimandの復習と解析業務への影響点の紹介.pdf(108.3 KB)
演者コメント:Estimand初心者にも理解しやすいよう、ICH E9(R1)の基礎から解析業務への影響まで体系的に整理し、SASを用いた実装事例も紹介しました。中西さんと協力しながら準備を進め、多くの方に関心を持っていただけたこと、そしてプレゼンテーション奨励賞をいただけたことは大きな励みです。今後も実務に役立つ知見を広く共有していきたいと思います。

■奨励賞
演題#59 ワクチン試験での必要イベント数の設定について(論文のみ)
シミック株式会社 浦狩保則
ワクチン群とプラセボ群の比較試験の計画において、ワクチン有効性についての仮説検定で必要なイベント発現数を算出する方法(条件付き法)に関する検討結果を報告した。
抄録_SASユーザー会2025投稿論文_浦狩_「ワクチン試験での必要イベント数設定について」.pdf(671.1 KB)
演者コメント:発表テーマを見つけるのは簡単ではありませんが、今回はワクチン試験に関する業務で得た知見を掘り下げることで形にすることができました。発表にあたっては、開発状況に配慮し、関係者の理解と了承を得ながら準備を進めました。ご支援いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。

演題#75ワクチン開発における非劣性試験のデザインについて
シミック株式会社 江口凌平, 浦狩保則
新規ワクチン群と実薬対照群の非劣性試験の計画において、リスク比を発症予防効果の評価指標とした場合の非劣性試験のデザインについて検討した。
[論文] SASユーザー総会投稿論文_江口.pdf(578.0 KB)
演者コメント:今回の発表では、専門的かつ先端的な内容を業務と結びつけることができ、より深い理解と実践的な視点を得ることができました。今後も専門性を高めていきたいです。

演題#84 ベイズ統計における有効サンプルサイズのSASによる実装
シミック株式会社 玉乃井 崚太
ベイズ統計では解析前に事前分布を設定するが、事前分布の情報量が大きすぎると解析結果がほぼ事前分布のみに依存してしまう。本発表では事前分布の情報量の指標であるESSをSASで実装するマクロを提供した。
[論文] SASユーザー総会_論文_玉乃井.pdf(1.1 MB)
演者コメント:私は入社2年目ですが、外部での活動に参画できる機会をいただきました。上司や先輩方の熱心な指導と支援をいただけたので、安心して臨むことができました。挑戦しやすい環境に感謝しています。

#90 トレンドの変化点を推定可能な区分線形回帰のSASによる実装と応用事例のご紹介
シミック株式会社 ビービ 彩加
途中で傾向が変化する線形回帰手法の1つである、区分線形回帰を紹介した。また、具体的な例を用いてSASのPROC NLINの使用方法を理解した。
抄録_SASユーザー総会2025_区分線形回帰_論文_シミック_ビービ.pdf(504.6 KB)
演者コメント:日本語での発表経験がほとんどなく、大きな挑戦で緊張しましたが、業務で培った対応力が活き、自身の成長を実感できました。準備段階では上長やチームメンバーから何度もアドバイスをいただき、同僚からの応援も大きな励みになりました。今回の経験を糧に、また外部発表に挑戦したいです。

シミックの統計解析・コンサルティング部門

シミックの統計解析部門では、臨床試験の計画立案からデータ解析、解析報告書の作成まで、幅広い業務を担う専門家が多数在籍しています。また、症例数設計やPMDA相談対応など、統計コンサルティングにも対応しており、開発初期から承認申請までの各フェーズで専門的な支援を提供しています。
さらに、ICH E9(R1)に準拠したEstimand支援サービスも展開し、教育研修からプロトコル作成、当局対応まで、試験目的に沿った治療効果の明確化をサポートしています。これにより、試験関係者間の共通理解の促進や、規制当局との円滑なコミュニケーションにも貢献しています。
若手社員の育成にも力を入れ、社内外の講師による専門性の高い講座や、実務に即した研修を定期的に実施。OJTや演題発表を通じた実践的な学びの機会も多く、社員一人ひとりが着実にスキルを高められる環境が整っています。
今後も、統計解析とコンサルティングの両部門が連携し、専門性の深化と人材育成を両輪に、より質の高い解析支援を提供してまいります。

参照:
シミックの統計解析の強み