2025.11.25
「第65回日本核医学会学術総会」でポスター発表を行いました
EVENT REPORTシミックは、2025年11月13日(木)~15日(土)、京都市勧業館みやこめっせ で開催された「第65回日本核医学会学術総会・第45回日本核医学技術学会総会学術大会」において、PETトレーサーに関連したポスター発表を行いました。
治験を支える未承認放射性医薬品運搬体制の構築への挑戦
日本核医学会は、核医学研究の推進と発展を図ることを目的とする国内最大級の学会です。本学術総会では、「結像と勧象」核医学と人の未来 の大会テーマとして、薬学、化学、工学など、異なる分野の学会との垣根を越えたコラボレーションが進められ、2,200名を超える国内外の専門家が一堂に会しました。会場では、核医学診療と治療を中心とした最新の研究成果、臨床応用、技術革新について、活発な議論が交わされました。
今回、シミックは以下のテーマでポスター発表を行いました。
「日本で実施する治験における未承認放射性医薬品の事業所外運搬体制の構築とその意義」
ポスター発表者:工藤 亜梨朱(シミック株式会社)
共 著 者 :千田 道雄 先生、佐々木 將博 先生、山根 登茂彦 先生(神戸医療センター中央市民病院) 、相吉 隆之、井狩 彌彦、天笠 翼(シミック株式会社)
核医学領域の重要性と日本の課題
核医学は、がんや認知症など難治性疾患の診断・治療において重要な役割を担う分野です。近年、PET診断やラジオセラノティクスなど、放射性医薬品を活用した治療開発が世界的に加速しています。しかし、日本では規制や制度の複雑さから、治験における放射性医薬品の体制整備が課題となっていました。
未承認の放射性医薬品を治験で用いる場合には、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法(薬機法)と、放射線障害の防止に関する法律(RI法)という2つのルールを守る必要があります。
こうした中、経験豊富な研究機関とシミックが連携し、関係する省庁や医療機関、物流業者など、さまざまな関係者と協議を重ね、外運搬スキームを構築・運用しています。この取り組みは、治験の円滑化に直結する重要なテーマであり、多くの方に高い関心をお寄せいただきました。
医薬品開発を加速させる核医学領域での治験支援
シミックは、核医学領域の治験支援において独自のノウハウを蓄積し、「安全性」、「規制対応」、「効率性」を融合させ、治験運営の質を高め加速させるための取り組みを行っています。
輸送容器等関連法規基準を満たす体制を整備し安全管理を徹底し、2024年のRI法改正への対応を行っています。また、治験依頼者の要望に対応できる独自のPET予約管理システムの活用や、症例集積やPET撮像スケジュールといった治験計画を考慮した運用を図っています。
さらに、核医学専門家チームによる知見の蓄積を通じて、幅広い疾患領域におけるコンサルティング支援を行っています。専門領域に関する人材育成の取り組みも強化し、核医学関連学会への参加、社外向けセミナーの実施、社内Certificate制度の運用などを行っています。
シミックは、医薬品開発の現場における課題解決に取り組むことで、未来の医療に貢献します。国内外のパートナーと連携しながら、世界の革新を日本の患者さんへ届ける架け橋となり、より良い医薬品や医療機器を、より早く届けられるよう尽力してまいります。
- 参照:
- シミックの臨床試験の強み