私が大学院で専攻していた統計学によって得られるデータは、サービス開発やマーケティング、企業経営に至るまで幅広い分野で使われています。現代の誰もが日々触れている情報に関わる重要な学問であり、私自身、研究を進める中で「統計学の知見を世の中のために活かしたい」という想いが強くなったことが、就職活動の大きな指針となりました。

就職活動中はさまざまな業界の企業研究をしたのですが、統計学が入社後すぐに活かせそうな企業にはなかなか出会えませんでした。そんな時、研究室の先輩が勤めていたシミックの話を聞き、製薬業界に「統計解析」というポジションがあることを知ったんです。統計学を活用し、多くの患者様に貢献できる仕事内容は私の希望にぴったりでした。

最終的に、製薬業界の中でもシミックを選んだ決め手は、CRO（医薬品開発支援事業）としてがん、再生医療、感染症などあらゆる疾患領域の臨床開発を担っていたことです。その分、統計解析として社会に与えられる影響も大きいと考えました。オフィスからの景色がきれいで、気持ち良く働けるイメージが湧きましたし、出退勤時間を個人の裁量で決められるフレックスタイム制を導入していることも、研究を自分のペースで進めていた私にとっては魅力的で、モチベーションを高く維持できると感じて入社の後押しになりました。

私のミッションは、臨床開発で収集したデータを解析し、新薬の有効性や安全性を統計学的に証明することです。解析結果をもとに報告書を作成し、妥当性を示すことができれば、臨床開発を次のフェーズに進めることができます。統計解析で良い結果を出すことは、いわば最後の試練ともいえます。臨床開発に携わったすべての方のために、解析を間違えることはできない緊張感がある一方、良い結果が出た時の達成感も大きいです。

入社2年目で先輩と共に担当した乳がん治療薬の臨床開発プロジェクトでは、プロジェクト開始前から「今回の治療薬が世の中に出れば、今後、乳がんの治療方針が大きく変わることになるだろう」と聞いていました。自分の仕事が与える影響の大きさを感じながら取り組んだ統計解析の結果は、とても良好。クライアントにも「乳がん治療が大きく前進する結果になった」と喜んで頂き、医療の発展に貢献できたと感じられる瞬間でした。

当時私が担当したのはフェーズⅡなので、患者様に治療薬が届くまでにはまだ時間がかかります。ですが、一歩ずつ承認に近づいていると聞いています。

学生時代から培ってきた専門性を活かせることは、やりがいにも直結しています。クライアントと解析結果について意見交換する際にも、その場で論文を根拠として提出したり、より良い結果を出すための解析手法を提案したりできるのは、統計学を専攻していた経験が大きいと感じるところです。

今後の目標は、統計のエキスパートとなること。これは、入社時点から目指しているキャリアでもあります。プロジェクトの立ち上げから終わりまでを一貫して担うことができるシミックだからこそ、統計解析部内には、医薬品開発のコンサルティングや難易度の高いプロジェクトにメインで携わる統計解析のエキスパートがいます。経験値が高い方が集まっているので、協業するたびに新しい解析手法や医薬品の知識を学ぶことができ、刺激を受けています。私自身もさらに広く深い知識を身につけ、統計学の知見をより多くの方に還元していきたいです。

※記事の内容は、インタビュー当時のものです。